スープから恐竜の卵まで。サマーアートラボの5日間
SUMMER ART LAB 2026|活動レポート
一杯のスープから、どんな世界が広がるのでしょう。
小さなアーティストたちが、自分の目で見て、耳で聞き、心で感じ、味わい、調べたり話したりしながら、自分なりの表現を広げていくサマーアートラボ。
7月20日から24日までの5日間は、東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催されていた企画展「スープはいのち」から始まりました。
冬のアートラボを前に、今年の夏を振り返ります。 __________________________________________
1|同じ展覧会、違う発見
21-21デザインサイトの展示室には、塩や昆布などスープを形づくる素材のほか、布や音、香りを用いた作品、写真や資料が並んでいました。
食べることから、身体や暮らし、環境、そして「いのち」へ。身近なスープから、思いがけない世界へとつながっていく展覧会です。
大きく成長していく塩の結晶。時間とともに色が変わる昆布出汁。さまざまなスープのレシピや食器。
食べ物そのものに夢中になる人もいれば、展示された家の中に座り込み、ニコニコと嬉しそうに過ごす人も。
同じ場所にいても、見ているもの、心を動かされるものは、それぞれ違います。
小さなアーティストたちは、それぞれ自分の心にぴったりくるものを探している。そんな時間が流れていました。
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2|どんなスープをつくろう? 想像を広げる対話
鑑賞後は、一番印象に残った展示を、その場でスケッチブックに描きます。
心に残ったものを、記憶が鮮やかなうちに描き留める。これもミロアートラボが大切にしているプロセスの一つです。
ラボに戻ってからは、スケッチを見せ合いながら、それぞれが発見したことを話します。対話を通して、一人ひとりの発見がさらに輪郭を持ち、立ち上がってきます。
そして、これからの4日間で何をつくってみたいか、アイデアを広げていきました。
「甘い抹茶スープ」
「激辛のカレースープ」
「パンが入ったおいしいスープ」
「少し酸っぱいトマトスープ」
次々に飛び出すスープのアイデア。
「虹色のレインボースープをつくりたい!」
そんな声もあがりました。
4歳から8歳まで、年齢も興味もさまざまなアーティストたち。自分の考えを話し、誰かのアイデアに耳を傾けるうちに、想像はさらに広がっていきます。
自分の「好き」や「つくりたいもの」、時には「それは違う」という違和感も言葉にしてみる。そして、お互いの言葉に耳を澄ます。
そんなミロアートラボのいつもの風景が広がっていました。
話し合いの中から、スープを入れる器も自分たちでつくってみることになりました。
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3|スープから、恐竜の卵へ
まずは、頭の中にあるスープをアート作品として表現することを試みます。
丸いキャンバスや画用紙、絵の具やさまざまな素材を使って表現していきます。
平面から立体へとイメージが広がることも。想像したものが思いがけない形となって現れるたびに、クルーも驚かされます。
抹茶の色をじっくり研究する人。
辛さをどう表現しようかと試行錯誤する人。
レインボースープのイメージを楽しそうに話す人。
次は、スープを入れる器づくりです。
陶芸に挑戦する人もいれば、紙粘土の感触を楽しみながら、気がつけば恐竜や蛇、卵をつくり始める人も。
「卵の中から、何か生まれてくるの?」
クルーの問いかけから、また新しい物語が始まります。
スープの器をつくるはずが、恐竜の卵になる。
同じテーマから始まっても、たどり着く場所は一人ひとり違うのです。
予定していた道から、思いがけない方向へ。そんな寄り道【逸脱】から、新しい問いや物語が生まれることもあります。
その【逸脱】の行方を一緒に面白がり、さらに広げていくことも、探究する時間の醍醐味であり、クルーの腕の見せどころです。
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4|自分たちのエキシビションを開く
後半は、最終日のエキシビションに向けて準備を進めます。
実際にスープをつくるため、材料やレシピを調べ、必要なものを書き出します。
やりたいことも、得意なことも、一人ひとり違います。自分の希望を伝え、相手の考えに耳を傾けながら、少しずつ役割を決めていきました。
得意なことを引き受ける人。苦手なことを、それが得意な仲間に託す人。
それぞれの強みを持ち寄り、足りないところを補い合いながら、一つのエキシビションをつくっていきます。
スープづくりのための買い物では、予算を決め、保護者の方に許可をいただいて、買い出しへ。
買い物に行く人もいれば、ラボに残る人もいます。ラボでは、エキシビションの案内ポスターを描くなど、準備を進めました。
それぞれが自分のやりたいことを伝え、仲間と役割を分けながら、少しずつ形になっていきます。
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そして迎えた最終日。
エキシビションでは、ご家族を招待して自分たちの作品を発表。
小さなアーティストたちの作品とともに、自分たちでつくった「抹茶スープ」と「コーンスープ」も並びました。
家族を迎え、自分の作品を紹介する小さなアーティストたち。
初日に展覧会を訪れ、誰かの作品を見ていた人たちが、今度は自分(自分たち)の作品を誰かに見てもらう側へ。
自分の作品を家族だけでなく、初めて会う大人にも見てもらい、感想を受け取る。
自分の中に生まれた興味や問いが、作品を通して誰かに届き、そこからまた新しい会話(時に対話)が生まれていきます。
小さなアーティストたちの表情も、どこか誇らしげに見えました。
見ることから、つくることへ。そして、誰かに伝えることへ。
一杯のスープから始まった5日間は、小さなエキシビションへとつながりました。
小さな人たちの大きな冒険。
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5|3か月後、思いがけない再会
サマーアートラボから3か月ほど経ったある日、参加していた一人の子と再会しました。
その子は、建物の外から聞こえてきた規則正しい音に耳を傾けていました。
そして、サマーアートラボで訪れた展覧会。最初の部屋で聞いた、あの「心臓の音」のことを思い出したと話してくれました。
3か月前の体験が、日常の何気ない音とつながった瞬間でした。
その場にいた人たちと、心臓は生まれてからずっと、休まず動き続けているんだね、と話しました。
あの日、彼女の心に何が残ったのか。
すべてを知ることはできません。
けれど、私たちが思いもしなかったところで、あの日の体験が息づいていたことを知った、嬉しい出来事でした。
学びは、活動が終わった日に完結するのではなく、その後も身体の中に存在し続けていく。
今日の発見が、いつか別の発見と結びつくこともある。
その瞬間に立ち会えたことが、クルーにとっても嬉しい出来事でした。
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シーズンごとに開催しているアートラボは、小さなアーティストたちが自分の興味を起点に、考え、試し、表現する5日間です。
小さいアーティストたちが何を持ち帰り、そこからどんな芽が出てくるのか。その行方は、私たちにもわかりません。
だからこそ、面白い。最高に、面白い。
これからも、一人ひとりの発見や問いに耳を傾けながら、共に考え、試し、つくる時間を重ねていきたいと思います。
それはとても幸せな時間です。
次のアートラボでは、どんな出会いが待っているでしょう。
私たちクルーも楽しみにしています。
2026冬のアートラボ、リリースは11月1日を予定しています。
ぜひ、チェックしてくださいね。
執筆|創造航海クルー Abby
Text by Abby, Creative Voyage Crew





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